2009年9月頃から使われ始めた謎理論。
概要
1990年代後半以降の東京ヤクルトスワローズは東京を本拠地にするが故の地味さ
読売ジャイアンツが同じ東京都を拠点にしており、また東京は地方出身者が多く地域密着の利点が生まれにくいなどの理由から。もっとも東京都の人口は1,417万人(2024年5月時点)と日本の全人口の1割を占めており、その半分でも千葉県以上、愛知県や埼玉県にも匹敵するという巨大都市である。それゆえ東京に本拠地があることは巨人の影に隠れるデメリットはあれど、多くの報道機関が集中することや神宮球場付近も交通の利便性が高いことなど、メリットが皆無というわけでもない。
なお、関西地区では阪急ブレーブス(現オリックス)、近鉄バファローズ(オリックスに吸収合併)、南海ホークス(現ソフトバンク。当時は大阪本拠)が阪神タイガース人気の圧迫で長年動員力で苦戦し、生き残りであるオリックス・バファローズもヤクルト同様「目の上の瘤」状態が今尚続いている為、「(甲子園と同じ兵庫県である)神戸に留まったほうが良かったのでは?」と言う声は少なからずある。に端を発する観客動員数の伸び悩みが続いており
90年代初頭の1試合平均3万人超えが続いた時代をピークに減少傾向。2005-14年の10年間にわたり2万人を割り込んでいた。ソース(球団公式HP)、地方に移転したほうがよいとする意見がなんJの内外で多く出ていた。
移転地の候補として挙げられたのが新潟(後述)や愛媛
野球の伝道者である正岡子規の出身地かつ高校野球の伝統校を複数擁する「野球王国」であることに加え、ヤクルトの主催試合や秋季キャンプに使用される松山中央公園野球場(愛称は「松山坊っちゃんスタジアム」)の存在などが理由。しかし地理的に近く交通の便も良い広島市に拠点を置く広島東洋カープとの競合の恐れがあり、人口も四国全体で横浜市に劣る為、現在は移転の話はほとんどない。であったことから、上記の言葉が出現したとみられる。
その中でも「移転してから解散」という流れ作業的かつ理不尽な二度手間を要求するフレーズがなんJ民に受け、定型句として広まっている。
一例
万年最下位のヤクルトは新潟移転して解散しろ
https://live23.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1258587539/
2 : ぱるさー ◆vRt95MXZxHjW : 2009/11/19(木) 08:42:02.55 ID:pdTG0Z8c
解散すんなら移転するなや
3 : 風吹けば名無し : 2009/11/19(木) 08:43:52.47 ID:2MP+9vW3
移転するなら解散すんなよ
9 :風吹けば名無し : 2009/11/19(木) 08:47:32.13 ID:BIvKroUr
解散するなら移転しなくていいだろ
このように「解散するなら移転するな」などのツッコミがお約束となっている。
派生ネタ
2013年ごろから「ヤクルトはもうダメだ、新潟に移転するしかないorz」というコピペが確認されている
【不人気】ヤクルトは新潟に移転すべき【NO.1】
https://kohada.5ch.net/test/read.cgi/npb/1269380082/
177 : 無礼なことを言うな。たかが名無しが : 2013/09/19(木) 19:41:38.35 ID:6pmyJTgu
ヤクルトはもうダメだ、新潟に移転するしかないorz
移転構想の経緯
ここからはヤクルトの移転構想の経緯について解説する。
前史:新潟県のスポーツ振興活動の隆盛
新潟をホームタウンとするJリーグクラブのアルビレックス新潟は、1999年のJ2参入以降観客動員を増やし続け、2001~2012年にかけて浦和レッズに次ぐ動員数2位の座を長らく保持した
J2優勝(≒J1初昇格)を決めた2003年は1位。ことから、地域密着を掲げるJリーグチェアマンから「地方/中堅都市の星」と賞賛を受けた。
さらに2007年には野球方面でも独立リーグ球団
BCリーグ所属。の新潟アルビレックス・ベースボール・クラブが設立され、着々と地元に根ざしたスポーツ環境づくりの基盤が固められていった。
NPB誘致へ
2009年7月の新潟県立鳥屋野潟公園野球場
現在の命名権名称は「HARD OFF ECOスタジアム新潟」。の完成を契機に、新潟県ならびに新潟市はプロ野球の開催数増加、さらには本拠地誘致を目指す運動を積極的に展開していった。この本拠地誘致のターゲットに選ばれたのが、球場使用契約で当時、毎年のように揉めていたヤクルトと横浜だった
前者は球場の老朽化解消の為の改修が厳しすぎたこと、後者は当時の横浜市がベイスターズを煙たがったこと。。
特にヤクルトは親会社がダノン
フランスに本社を置く食品メーカー。日本で有名なのはビオなどのヨーグルト。との提携へ消極的だったことを理由に目をつけられ、彼らがヤクルトを敵対的買収をしようと20%の株を所有されたことで筆頭株主となり、赤字解消としての売却提案の噂
日刊スポーツがサイバーエージェント(後に横浜の親会社となったDeNAの関連会社でもあるCygamesの親会社)に売却するという記事が出たが、これはデマである。その証拠に広報担当だった衣笠剛と当時の球団社長である鈴木正が日刊側に謝罪広告記事を出すように話をしたと「スワローズ流、必勝戦略」で書かれている。が絶えなかったことから、この新潟移転も(何も知らない人間からすれば)時間の問題とされていた。
相次ぐ問題点の露呈~誘致活動の停滞、そして自然消滅へ
確かに新潟は元総理大臣・田中角栄の地元であり、田中がインフラを整備したため都会と言われる。
しかし実際に試合を開催すると、以下をはじめとする観客輸送を中心とした数々の問題が明らかとなる。
- 球場が最寄り駅の新潟駅から4kmほど離れているため路線バスが必須。シャトルバス等、専用輸送手段のインフラも未整備
NPB本拠地のように、万単位の観客を捌くイベントを年間百試合近く開催する実績を持たなかったことは考慮に入れる必要がある。。
- 隣接するデンカビッグスワンスタジアム
アルビレックス新潟の本拠地。と駐車場を共用するため、Jリーグ開催とのバッティング時は周辺の交通が混雑する。
- 新潟空港の立地は(空港としては)近いものの周辺の渋滞が多く、アクセスが安定しない。
- 新潟周辺の気候変動の激しさから試合中止となるケースが多い。
- 新潟都市圏、ひいては新潟県そのものの人口の少なさ
広大な新潟県全体で人口215万人(2022年時点)と、中日の本拠地がある名古屋市の人口(約232万人)を下回っている有様である。。
また、既存球団が新潟に移転する場合のもう一つのデメリットとして遠征時の移動が過酷になることが挙げられる。特にセ・リーグ球団は現存する6球団すべてが東海道・山陽新幹線の沿線(かつ最速達種別であるのぞみの停車駅がある都市)
各球団の本拠地の最寄り新幹線駅は東京&品川(巨人・ヤクルト)、新横浜(DeNA)、名古屋(中日)、新大阪/新神戸(阪神)、広島(広島)で、いずれものぞみ停車駅である。そして広島(山陽新幹線沿線)以外はすべて三大都市圏(=東海道新幹線沿線)に集中している。に本拠地を置いているため、地方開催やパ・リーグとの交流戦などを除けばどこへ遠征するにも新幹線1本で移動できるというメリットがあるが
広島は1975年にセ・リーグ初優勝を達成しているが、この年はそれまで岡山止まりだった山陽新幹線が広島を経て博多まで全線開業した(=広島と三大都市圏が新幹線1本で結ばれた)年でもあり、実際に当時のエースである外木場義郎は山陽新幹線開業により、移動の際の負担が軽減されたことが優勝につながったと述べている。、仮にどこかの球団が沿線外に移転するとなればそのメリットが崩れ、自分たちの首を絞めるだけでなく他球団にも迷惑をかける結果になるとも言える
仮にヤクルトや横浜が東京(横浜)から新潟へ移転していた場合、同じ在京球団でそれまでは遠征せずに済んでいた巨人やヤクルト(横浜)も遠征が必要になり、移動の身体的負担や交通費などの負担が発生することになる。とはいえ東京から上越新幹線1本で済むだけまだマシな方であり、新潟~名古屋・広島間には飛行機の定期便がほぼ存在しない(参照)。このことを踏まえ、広島の球団部長・鈴木清明は横浜の新潟移転案が浮上した当時、「ウチは(広島から新潟への)当日移動ができない」と懸念の声を上げていた(参照)。
これらがネックとなり各球団とも本拠地移転および新潟開催に及び腰となったことから、観客動員数は開催2年目の2万7000人
4試合平均。をピークに伸び悩むこととなった。移転を渇望されていたヤクルトの主催試合に至っては2012年の2試合
9月8・9日。が唯一の例となっている。
追い討ちをかけるように、誘致活動を主導していた新潟県知事
泉田裕彦。2004年~2016年。の交代や、アルビレックス新潟の深刻な経営難
スポンサー企業による動員や無料招待券の濫発により入場者数の割に観客収入が少ないことが原因。これを理由にJリーグ以上に費用のかかるプロ野球において「新潟県の体力ではプロ野球興行は難しい」との見方も根強い。及び成績低迷に伴うJ2降格
2018年~2022年。による県民のスポーツ熱低下も重なり移転話は事実上消滅した形となっている。
現状と今後の見通し
現在、新潟での試合が多いのはもう一つの移転候補であったDeNA
オーナーの南場智子氏が新潟県出身のため、「南場がベイスターズを連れてきてくれる」と期待する向きは僅かながらあった。またDeNA身売り以前からも新潟での主催試合は行われていた実績もあった。だが、そのDeNAでさえホームゲーム開催を横浜スタジアムに集中する方針へと舵を切っているため、2016年以降は毎年1試合のみ
新潟の1試合を除きホームゲームは全て横浜スタジアム開催。ただし2021年のみ例外的に東京五輪の影響で横浜スタジアムが使用できない時期を他球場で代替開催している。
2021年は2連戦の予定が組まれていたが、1試合が雨天中止となったため結果的に例年と同じ1試合開催となった。に留まっている。
その後2024シーズンより、BCリーグ所属であったオイシックス新潟アルビレックスBCが、イースタン・リーグのファーム公式戦に参加
正式なNPB所属チームではなく、あくまで外部のチームがNPBの試合に「参加」している扱い。このためオイシックスは「ドラフト会議には参加できず、独自の選手招集が認められている」「NPB12球団に在籍経験のない日本人選手はドラフト指名を経ないと12球団に移籍できない」「12球団から育成選手の派遣を受けることができる」など独立リーグの球団と同様の扱いを受けている。なおこれらの扱いはオイシックスと同時にウエスタン・リーグに参加したくふうハヤテベンチャーズ静岡も同様。するチームとして加わることになった。
肝心のヤクルトはというと未だに設備や人気で巨人に負けているものの、唯一勝っているものがある。
それがスタジアムグルメであり、消防法の規制で火が使えない東京ドーム
これはベルーナを除く、他のドーム球場も同じ。とは対照的に、火が使える神宮では美味しいものをより多く提供できる為、「グルメは神宮のほうが美味しい」という声は多く存在する。
更に、これまで老朽化などが問題視されていた神宮球場も新しい神宮球場を作ることが明治神宮側から発表された
建て替えにあたっては、主に工期短縮を目的として近隣に所在し同じく建て替え予定となっている秩父宮ラグビー場と土地を入れ替えることになっているほか、球場側の付随施設である神宮第二球場および軟式グラウンドが廃止される予定となっている。なお球場跡地にできる新ラグビー場は全天候型化される予定となっているが、ラグビー場跡地にできる新球場については(他球団で熱中症が問題となりつつあるにもかかわらず)屋外球場のままとなる予定であると公表されている。(とはいえ、ZOZOマリンの建て替えでも屋内球場作るだけで2000億円越える算出となっていることや前述のスタジアムグルメの劣化を防ぐ観点から見ると、致し方がないと思われる。)こともあり、移転問題はいずれ消滅することになると思われる。
余談
- 横浜ベイスターズは2010年に住生活グループ(現:LIXIL)への身売りを打診したものの、住生活側が新潟や静岡への移転を主張したため神奈川財界と揉め破談となっている。
- 移転の話題が上がった当時は「新潟住生活ベイスターズ」や、新潟県の特産品である米を掛けて「米スターズ」「ライスターズ」などと呼ばれていた。
- 新潟県燕市は2011年シーズンからチーム名と同じ「つばめ」にちなんだ交流事業などをヤクルトと行っている。
- 事業例としては、つば九郎と共に田植えや稲刈りをして販売される「つば九郎米」などがある。
外部リンク
- 都・リーグ
- 警戒シリーズ...こちらは横浜が新潟移転からの解散を迫られる。
- なんか変だな…札幌ドームから撤退した日本ハムの後釜としてヤクルトが候補に挙げられる。
- 戸田軍…二軍本拠地は戸田から守谷に移転する予定となっている。